1032話(2016年1月9日 ON AIR)
「ツノ」

作・

ピンク地底人3号

出演・

平野 舞
大熊隆太郎

私の頭からツノが生えてきた。

ツノだな。

うん。ツノ。

何か食べた?

これといって何も。

ツルツルだな。

うん。シャワー浴びたよ。シャンプーもした。

ドライヤー、当ててみた?

うん。でもドライヤーはしばらくやめとく。角がすごい熱くなるから。

それは確かに。

あ。鍵持ってる?

家の鍵でいいの?

うん。

あ。そういうことね。

  
 

鍵が角にひっかかる音

  

これなら失くさない。どう?いい感じ?

うん。いい感じ。

他にもいっぱいかけられるものあるね。コートとかカバンとかあと……何かない?

んー……なんだろ。

あれ。以外にないかも。えー。

ちょっと質問。ところで角って何?

えー。それ聞く?

ちょっと調べてみる。

またケータイ?

うん。

もっくんさー。ケータイいじりすぎだよ。それ依存症ってやつだって。やばいよー。

ふんふん。なるほどね。

なんて書いてある?

攻撃したり身を守ったりするもの。でもその用途がわからない場合も多々あるとか。

あー。

あ。なんか変な汁出てない?

え。嘘?

先っぽから変な汁出てる。げ。緑色。青汁?

なんで角から青汁?

そうか。おまえ、いろんな栄養が足りてないんだよ。
だから頭から角が生えてちゃんと栄養摂れっていってるんだよ。

あ。それ。いやでも待って。その青汁出してるのツノだよね?
つまり私の身体から青汁が出てるってことだよね?
それを私が飲んだとして、でもそれは私の中から出てきた青汁なわけで……
意味なくない?

それもそうだ……

  
 

  

わかった。栄養不足は俺だ。

ああ……

おまえ、俺のためにツノ生やしたのか?

そんなつもりなかったけど、うん。そうかも。

  

それから一年間、私は栄養不足のもっくんのために青汁を出し続けた。
でも青汁を出せば出すほど私はもっくんのことを嫌いになっていった。
あれーなんでだろう?

  
 

ずんと音がする。

  

今、もっくんのお腹には大きな穴が空いている。

  
  
終わり