1074話(2016年10月29日 ON AIR)

「続、ちいさな星崎先輩」

作・たみお
出演・大木湖南
ゲスト出演・村上慎太郎(夕暮れ社 弱男ユニット)
岡田
俺は分子細胞生物学の研究をしている学生だ。顕微鏡からのぞく世界はまさしく宇宙。
果てなき世界。細胞を研究し、人類の謎を紐解こうとしている。
今日も顕微鏡をのぞけば・・・
お・・こ、これはなんだ。。
星崎
Yo!
岡田
ひ、ひとだ!
ハツカネズミのがん細胞を、まるでピクニックシートのようにして座っているのは、、、
人じゃないか!!こ、これはいったい、、、
星崎
まあ驚くな、岡田。
岡田
お、おれの名前をしっている!
星崎
ぼくだよ、星崎だ。
岡田
ほ、ほしざき???
星崎
よいしょと。そう。ほら。見覚えがあるだろう。
岡田
は!白い歯を見せながら笑うキザったらしいその笑顔!!!
ほしざき!!
星崎
ターンアンドターン
岡田
てめえ!ひとの細胞の上で!
星崎
Hahaha, 相変わらず君は真面目だね。
岡田
おまえ、小さくなったって噂、本当だったのか。
星崎
ああ、そうさ。噂の絶えない男その名も星崎。
岡田
まさかそこまで。。。
星崎
だろ。ぼくだって驚いてる。
岡田
・・・やってやる。(呟く)
星崎
ん?何かいったかい。
岡田
潰してやる。いまのおまえならすぐにやれる!
星崎
おっと!
岡田
にげるな!
星崎
ほっ。
岡田
こっちは顕微鏡ごしで動きが繊細なんだよ!
星崎
そんなピペットでぼくを潰せるとでも?
岡田
いまこそしとめてやる!
星崎
よっ きみ、まだ忘れてないんだね。
岡田
忘れるもんか!
星崎
ほっ
岡田
おまえさえ!おまえさえ現れなけりゃあ!
星崎
ほっ
岡田
彼女はおれのもんだった!!!
星崎
執念深いなあ。
岡田
ああ!それがおれの研究に役立ってるんだ!くそう!!
星崎
まあ聞けよ、岡田。
岡田
きかない!
星崎
僕をみたまえ。こんなにちっぽけな僕がいったい彼女に何をできる?忘れることだね。
岡田
忘れない!
星崎
執念深いなあ。(いいねえ) じゃあ教えてやろう。岡田。きみの細胞は死んでいる。
岡田
なっな??
星崎
つまり、きみはもう劣化の一途だよ。
岡田
なに?
星崎
赤子をみろ。彼らの細胞は眩しい。エネルギーの塊だ。
生きよう、生きようと日々分裂している。それにくらべ、もう背丈の伸びない君よ。
劣化の一途だ。
岡田
なにを言い出すんだ。
星崎
いいのかい。ときめかくなくて。
岡田
へっ
星崎
産まれながらに授かった、成長エネルギーを使い果たした君。
君はいったい、残る人生、なにを原動力に生きるんだ。
岡田
な、なに・・・?
星崎
それはね、ときめきだよ。人類が唯一その身ひとつで成すことができるエネルギー活動さ。
岡田
ときめき。
星崎
岡田。おまえ、ときめいてるか。
岡田
お、おれは、、、
星崎
細胞よりも小さな僕には、見えてるぞ。おまえの細胞は生きながらに死んでいる。
そんなの、さみしいじゃないか。(とても純粋に)
岡田
星崎、、、
星崎
僕はこれからさらに小さくなる。もはや、顕微鏡じゃみえなくなるだろう。
遺言とおもい受け取ってくれ。ちっぽけな男への、ちっぽけな憎しみなんて捨て、
いきろ岡田。ときめけ岡田。、、、じゃあね。
岡田
ま、まて!
星崎
ん?
岡田
おれは、おれは忘れないぞ!
星崎
え?
岡田
おまえがいくら小さくなっても!おれは忘れないからな!
星崎
はは、君ってやつは、ほんとう執念深いなあ。(涙ぐむ) ぼくも、
岡田
あっ、星崎、星崎???
どこいった?? み、見えなくなった。
そうか、また小さくなったのか。細胞の次の世界へ、いったのか。ミクロの世界へ。
星崎、おれは忘れない。忘れないからな。
おしまい