1075話(2016年11月5日 ON AIR)
「がんばらなくていいんだよ」

作・

坂本隆太朗(がっかりアバター)

出演・

平野 舞
大熊隆太郎

僕、今のままじゃ駄目なのかなって、思う夜が、あるんだ……。

君、がんばらなくていいんだよ。

毎日、涙が出そうになるんだ。

がんばらなくていいんだよ。

沢山の人に馬鹿にされてるような気がするんだ。

がんばらなくていいんだよ。

辛いんだよ……。

お疲れ様。もう、がんばらなくていいんだよ。

うん……。ありがとう……。でも、僕は、四十三歳だ……。
それに、この歳になるまで働いたこともない……。
ずっと、お母さんに、頑張りなさい、って言われ続けるんだ……。
流石に、頑張ったほうが良いのかな……。

がんばらなくていいんだよ。君は君のままで居ればいい。
お母さんだって、きっとそう言ってくれる日が来るよ。
君は、君に出来ることを精一杯、やっているんだから。

あ、ぼくね、今日、パチンコに行ってきたよ。凄い?

すごいすごい。よくがんばったね。

でも、おうちに帰ったら、
お母さんの財布から黙ってお金を借りてたのがばれちゃって、
お父さんに、叩かれちゃった……。

それは、とっても……辛かったね……。もう、がんばらなくていいんだよ。

お父さんは、「俺ももう七十六やぞ、何が悲しくて無職の四十三の息子を殴らなあかんのや」って、泣きながら殴ってきたんだ。とっても、怖かったんだよ。
僕、怖くなって、大きな声で泣いちゃった……。

それは、とっても辛かったね。

他にも頑張ってることあるよ!

なになに?

僕ね、毎日、十五時間、寝てるんだ。

がんばりやさんだ。とっても、がんばりやさんだね。

お腹が空いたら、お母さんを呼ぶよ。コンビニにお菓子、買いに行かせるんだよ。

お母さんを呼べるの? 凄くえらいね。

僕ね、一回だけ、アルバイトの面接に行った事があるんだ。十年くらい前。

それは、えらいね。良く、頑張ったね!

お母さんにお金貸してもらって、面接行ったら風俗一回行って良いって言うから、
僕、頑張ったんだよ。

うんうん。それからそれから?

頑張って、履歴書を買ってきたんだ。職歴のところに、ちゃんと、小卒って書いて。

えらいえらい。それでどうしたの?

え?

え?

おわりだよ。

  
 

間。

  
えらいえらい。本当に、良く履歴書を買ってこれたね。それに、小卒って、よくかけた。でも、もう、がんばらなくていいんだよ。君は、よく頑張った。
本当に、よく、頑張ったね。私は、君のことを認める。
世界中のだれもが、君のことを認めなくても、私は、君のことを、認めるよ。

本当……?

本当。

じゃあ、ゲーム、してていいかな……。

ゲーム、しておいで。

わぁ……。今まで、頑張ってきてよかった。

君は、本当に、よくがんばった。

人には、出来ることと出来ないことがある。
それを認めあってこそ、真の平和が生まれるんだね。

  
  
おわり。