1092話(2017年3月4日 ON AIR)

「劇団!必死組!!」

作・嘉納みなこ
出演・平野 舞
大熊隆太郎
熱男
この誰もがしらけた平成の世に、足りないものはなんだ?それは、必死であること!!
必死であれば、なんでもできる!必死があれば、なんでもできる!俺たちは!
熱男・のりこ
劇団!必死組!
のりこ
座長!ついに本番まで一カ月を切りましたね!今度のお芝居、どんな内容ですか?
熱男
決まってない!
のりこ
・・・はい!!
熱男
でもとりあえず熱い内容だ!
のりこ
はい!
熱男
よし走り込みに行こう!!
のりこ
はい!
熱男・のりこ
(掛け声)必死!必死!必死!必死!
のりこ
(モノローグ)日本橋の街を、私たちは走った。公演まであと一カ月。
この進行状況は、やばい。すべてを忘れるかのように、私たちは走った。
熱男・のりこ
劇団、必死組!!
電話がかかってくる。
のりこ
もしもし。
熱男
貸せい!もしもし。俺たちは今走っている!!邪魔をするな!!・・・
お前は劇団員の佐川じゃないか。何?劇団をやめる?なぜだ。・・・切れた!!なぜだあーー!!!
のりこ
佐川くん、就職するって・・・。
熱男
就職??
のりこ
芝居だけじゃ食ってけないって・・・。
熱男
あいつ・・・!必死さが足りん!!それさえあれば、金の問題など解決するんだ!
熱男に電話がかかってくる。
熱男
もしもし!あっ、ニコニコローンさん。すいません、もう少し、待ってください!
お願いしまーす!!(切って)解決!
のりこ
座長、借金を?
熱男
芝居だけじゃ食ってけないからな。借金は俺の重要な収入源だ。
のりこ
大丈夫ですか?
熱男
大丈夫。必死ささえあれば、借金もおのずと逃げていくさ。
のりこ
よくわかりませんが、わかりました。
熱男
一年たっても払えなければ臓器を売る契約に一年前サインしてしまったが、
まあ、なんとかなるだろう。
のりこ
それって、今じゃ?
熱男
俺たちは!
熱男・のりこ
劇団!必死組!
後日。
のりこ
座長、台本は書けましたか?
熱男
難しい問題だ!
のりこ
公演まであと一週間ですよ?
熱男
・・・コップ半分の水を、半分しかないと考えるか、半分もあると考えるか、
のりこ
現実逃避してませんか?
熱男
最近、悪夢を見るんだ。チャイムが鳴って、扉をたたく音が聞こえる。
そして「臓器をよこさんかい。」と声がするんだ。
のりこ
それは、悪夢というか、現実では?
熱男・のりこ
 劇団、必死組!!
後日。
のりこ
ついに本番の日が来てしまいましたよ!座長、台本は?
熱男
書けた!
のりこ
やった!でも台本を覚えてる暇はないですからね、もう朗読劇で行きましょうね!
開演のブザーがなる。
のりこ
只今より劇団必死組の・・・
熱男
やばい!客席に借金取りが!いやさ、臓器取りが!すまん、俺は逃げる!
のりこ
ええっ?
熱男
客席のみんなー!今日は来てくれてありがとう!
俺は今から逃げるが、どうか最後まで楽しんで行ってくれ!最後に一つ!借金はいかんぞー!
のりこ
座長―!! やっぱり必死だけじゃダメね!
終わり。