1132話(2017年12月9日 ON AIR)

「夫は岡っ引き」

作・大熊隆太郎
出演・平野 舞
大木湖南
作五郎
邪魔するよ。
おはま
はい?あら、作五郎親分。
作五郎
おう。
おはま
どうしたんですかい?調べですかい?
作五郎
牛込で盗みがあってね。俺も狩りだされたのさ。
おはま
ご苦労様です。
作五郎
ここいらは又八親分の縄張りだろう?
早めに調べが終わったから、ちくといっぱいどうかなと思ってね。
おはま
それがねぇ、生憎うちの人は昨日から帰ってないんだよ。
作五郎
え?
おはま
なんか事件の探索してるんだろうけど、ここのとこ忙しそうでね。
作五郎
そういや今回の現場にも顔出して無かったな。
おはま
兎に角、うちの人いつ帰るか分からないんですよ。
作五郎
じゃあまた明日出直すか。
次の日
おはま
おや作五郎の親分。
作五郎
今日こそ又八は居るかい?
おはま
それがね、やっぱり帰ってこないんだよ。
作五郎
なんだって?
おはま
あたし心配でねぇ。
作五郎
ふむふむ、わかった。俺がちっと探してみるよ。
おはま
本当かい!?
作五郎
あぁ。こっちは人探しが仕事だ。直ぐに見つけてやるよ。
そうさなぁ、先ずは最近の又八について、なんか変わったことがあったら教えてくれ。
おはま
そうだねぇ。あ、お茶と煎餅です。どうぞ召し上がってください。
作五郎
お、こりゃすまねぇ。
おはま
うーん、なにか変ったことねぇ。
次の日
作五郎
昨日おはまさんから聞いた話を頼りに、ちょいと探してみたんだがよ。
おはま
ほんとにすまないねぇ。
作五郎
最近の又八は押しこみ事件を追っていたようでね、本郷辺りで聞き込みしてたそうだ。
おはま
じゃウチの人は本郷に?
作五郎
いや、最近はとんと姿を見せねぇらしい。
おはま
心配だねぇ。
作五郎
ま、もうちっと探ってみるよ。それにしても上手い菓子だねぇ。
おはま
ええ。作五郎さんが報告に来てくれると思って用意しといたんですよ。
作五郎
お、嬉しいねぇ。
次の日
作五郎
又八は押しこみの下手人に目星をつけてて、
下手人の家の向かいの茶屋の二階を借りて、連日張り込んでたらしい。
おはま
てことはそこにウチの人が?
作五郎
いや、今日行ってみたんだが、三日前から張り込みには来てねぇそうだ。
ま、もうちっと探ってみるよ。
おはま
ところで作五郎さん、ちょいとこのへっついを動かしてもらえません?
裏を掃除したいんだけど重くって。
作五郎
おう任せろ任せろ。男手がいないと大変だろう。
おはま
作五郎さんは頼りになるねぇ。
次の日
作五郎
ちょいと、おはまさんには言いにくいのだがね。
又八が間借りしていた茶屋の女将もね、同じ日に姿を消したんだよ。
おはま
え、それって。
作五郎
もしかしたら示し合せての事かもしれねぇ。
おはま
そんな。
作五郎
張り込み先の女と良い仲になっちまうってのはよくあることだが・・
又八ももしかすると・・
おはま
ウチの人に限ってそんなこと。
作五郎
そうだな。不安にさせてすまねぇ。ま、もうちっと探ってみるよ。
それより昨日は晩飯までよばれちまって悪かったね。
おはま
いいんですよぉ。今日も食べてくでしょ?お酒もつけてますからね。
次の日
作五郎
おはまさんには酷な話なんだがね、又八の居所が分かったよ。
おはま
そうかい。悪い話なんだね。
作五郎
ああ。向島の裏店に、例の女将と二人で居るのが分かったよ。
おはま
そんな・・うぅ。(泣く)
作五郎
おはまさん。可哀想に。
おはま
作五郎さん。ううぅ・・・
作五郎
大丈夫だ。俺がついてる。
おはま
ありがとうねぇ。
作五郎
あぁ。そういえば、昨日は結局泊まっちまってすまなかったね。
おはま
いいんだよ。今日も泊まっていくでしょ?
作五郎
いいのかい?
おはま
えぇ。もうお布団の準備も出来てますよ。
おわり