1140話(2018年2月3日 ON AIR)
「ラッキーな君と。」

作・

たみお

出演・

平野 舞
森澤匡晴

あの日、あんた、傘とどけてくれただろ。

うん。

それが嬉しかったんだ。そのう、あれだ。こう・・・嬉しかったんだよ。

わたしも同じよ。だって、電車で見つけた傘を、なくした人に、渡せたんだもの。

すごいよな。

すごいよ。

その日な、あの駅にいくまで、いろいろあったんだ。

そう。

だからさ、その日、あんたが、傘を渡してくれるまで、こう、いろいろあったんだよ。

そうなの。

しんどいこととか、つらいこととか、嬉しいこともそりゃちゃんとあったけども、
全体的にいうと、しんどいことのほうが、ちょっと上だったんだな。

ふうん。

そこに、あんただよ。現れたんだよ。ジャーンと。

わ、ヒーローみたい。

うんまあそんなもんだよ。

えへへ。

もう、40になるよ。俺。

うん。

40年間、生きてきてさ、無くした傘をさ、届けてもらったこと、なかったんだよ。
あの日まで。あんたが現れるまで、な。

なんだか照れますね。

俺も照れるよ。

えへへ。

えへへだよ。そうだよな、えへへだ。これは、なんというか「えへへ案件」だ。

へんなの。で、まだ、この話は続けますか?

続けさせてくれ。 タイミングっちゅーもんが、あってだな。あれだよ、言うべきときはだな、
あれだ、ちゃんと言わねばならぬのだ。あれ、でも、あれ、時間?

大丈夫。今日の時間は確保してるから。それをデートっていうんでしょ。

それは、どうも、デートのほう、毎度ありがとうございます。

どういたしまして。ほんとどうしたの。 今日はへんよ。

へんではない。

はい。

きっかけは、傘なんだけども。あれは、ボクの人生のなかの、一番のラッキーでした。

ラッキー?

そうとしか言えない。あんたが現れたことは、ボクの人生のなかの、一番のラッキーなのだ。

ラッキーなヒーローなのね。わたし。

そうです。

なんだかすごい人になったみたい!

俺の中では。

普通のOLなのに。

俺の中では普通ではない。

そうなの?

あんたは無敵だ。

すごいことになってる!

あんたといれたら、俺は無敵だ。

おおお・・・すごい展開に・・・

いや、マジで言ってる。俺はマジで言っている。

はい。

そのう、だからですね。そのう、あれなんですよ。だからですね。あのう。

うん。

ボクあ、たいした人間じゃないけれども、たいした人間じゃないからこそ、
いや、そのう、あのう、だからだ!!

どうしよう、私から言えそうな気もするけれど、どうしよう。

いや! ここは。ここはヒーローの出番ではない!ここは俺がヒーローな!なっ!

はい。

だから、そのう、あれだ。あれなんだよ。

はい(笑う)   

だから、あれなんだ!がんばれ俺!

ちゃんと時間は確保してます!

それはどうも毎度ありがとうございます!

はい!こちらこそ!

それでだね。だからだね、あれなんだ、あれなんだよ・・・

  
  
おわり。