19話(1996年8月9日 ON AIR)

「ミドリガメに君を紹介しよう」

作・水こし 町子
楽しい夢を みた時
すぐに誰かに 話さないと
すっかり 忘れてしまう
悲しい夢を 見た時は
すぐに 誰かに
話して しまわないと
いつまでも
悲しい

子猫が
どこからか いっぱい
もう次から 次へと
真っ白の 子猫
数えきれないくらい
ひざにのって
甘えてから
子猫が 窓まで走って
レースの 白いカーテンの中に
ふわっと
本当に ふわっと
真っ白な子猫が消える

「ああ どうしよう
 子猫を
 カーテンの中からだして」

目が覚めて
大急ぎで カーテンを
たしかめに いったの
子猫が ほんとうに
かくれていた
なんて
言わないよね
カーテンを見ると
消えてしまった
子猫の夢を
思い出す
駅へ行くまでの途中に
猫がブロックの上で
いつも昼寝をしている
夢に見た猫が
いるかもしれない
白い子猫を探したわ
ぼくは ミドリガメを
机の上で
もう二年も かっている
二年も一緒にいると
仲間って気持ち
でも
ミドリガメは
何を話しかけても
まったく 無愛想なんだ
北海道の みやげの
まりもを 育てている
友達よりは
まだ
ミドリガメのほうが いいけれどね

これからの 長い時間
ぼくが 君に
たくさん話かけて
同じだけ
君が ぼくに
話しかけてほしい
うれしいわ
わたしの見た夢のあらすじもね
宇宙船から 送られてくる
ブルーの 地球の写真
まあるい地球
この中に
ぼくたちは 生きている
バスが 海にむかって
走っている
前から3番めの席
今の
ぼくたちがいる
赤いリボンのついた
帽子を かぶっている君
今日を
ぼくたちの 記念日にしよう
あなたに 初めてあった日
はじめて キスをした日
プロポーズをされた
そして今日
ずっと 年をとっても
ピーター・ラビットの
カレンダーに
いくつも
印をつけてね
私たちだけの
秘密の記念日
たのしいわ
これから 君の見る
夢の話を
ぼくが 朝
一番に聞くよ

無愛想だけれど
いつも 一緒に
暮らしている
ミドリガメに
今度の 日曜日
君を 紹介しよう

ぼくのお嫁さんになる人だよ