324話(2002年6月14日 ON AIR)
「ちゅうぶる」

作・

深津 篤史

  
 

雨が降っている

  
何で雨やねん。

コーヒー飲む?

ん。

お砂糖とミルクは。

なあ。

え。

昨日寝たん何時やっけ。

三時ごろ?

起きてたん。

本読んでたから。

何時?

4時ごろ?

すまんな、先寝てしもて。

なんや寝つけんくて。

  
 

男タバコに火を付けた

  
よう寝れた?

ん。

歯ぎしり。

え、してた?

ちょっとだけ。

ごめん、うるさかったやろ。

ううん。

ふだん、せえへんはずやねんけど。

うん、だからな。

え。

疲れてるんかな思て。

大丈夫、大丈夫。

よしよししたらな。

(少し笑って)うん。

ええと。

  
 

女少し笑った

  
おさまったん?

おさまってんけど。

え、何。

何かもぐもぐしてた。

ええと。

何食べてるんかなあて。

へえ。

夢、覚えてる?

久しぶりにな。

え。

ウルトラマンになる夢見た。

え、え?

たまに見るねん。

ウルトラマン。

そう。

怪獣と闘うの?

わるもん。

わるもんて怪獣とちゃうの。

いや、ピストルとか持った危なさそうな人間5、6人。

ええと。

一応変身してんけどな。

ウルトラマンやったらいっぱつやん。

身長変わらへんねん。

けどウルトラマンやろ。

けど相手ピストル持ってるし。

うん。

危ないやろ。俺、素手やで。

ええと。

せやからヘイのウラに隠れとった。

  
 

女少し笑った

  
そのうち怪獣が現れてな。

うん、うん。

俺も大きなって。

良かったやん。

ビルの陰に隠れてな。

え。

トゲトゲで痛そうやねん。せやからな、スペシウム光線一発で倒したろ思うねんけど。

うん。

何や恥ずかしいやん、スペシウム光線て、ええ大人が、光線て何思うやん。

  
 

女 笑っている

  
構えたはええけど、出んかったらどうすんのって思うし。

  
 

女 笑っている

  
怪獣、火はくやん。俺、丸コゲやん。

ええと。

後先考えんやつやなあ、ウルトラマンて思た。

うん。

おしまい。

ごはんは。

え。

ごはんはいつ食べたん。

ああ、そうか。

面白いな。

面白いか。

面白い。

かっこ悪いやろ。

ううん。

何で雨やねん。

え。

せっかくの休みやのに。

いいやん。

ガキの頃は休みの日はいつも晴れてた気する。

  
 

女 少し笑った

  
ウルトラマンになって怪獣ばんばんやっつけてた気する。

うちにおろ。

夢。

え。

夢食べてたんかな。

夢。

なんか切ないわ。貧乏性みたいで。しょうもない夢やのに。

けどな。

ん。

幸せそうな顔してたで。

  
 

男 少し笑った

  
それ見て私も幸せな気持ちになった。気ぃついたら朝やったで。

うん。