第368話(2003年4月18日 ON AIR)

「寿司屋にて」

作・大正まろん
マナミ
島田が結婚?
島田
うん。
驚いた。島田が結婚する事にじゃなく、動揺した自分に。
マナミ
彼女いたんだ。
島田
つい言いそびれてさ。(店員に)スンマセン、たまごもう一皿。
店員
はい喜んで。
島田
でさ、マナに頼みがあるんだ。
マナミ
そっか、それでお寿司屋か。
島田
マナ、好きでしょ。
マナミ
島田、生の魚苦手なのに変だと思った。
島田
今日はおごるし。
マナミ
じゃ・・・大トロ。それとお銚子もう一本。
店員
ハイヨ。
島田
友人代表でスピーチしてくんないかな。
あんた、私の事好きだって言ってなかった?付き合ってくれって言ってなかった?待て待て、いい人過ぎて駄目なの、なんて言ったのは私だ。そう、危険な香りの狼ちっくな男が私のタイプ。けどそういう男はおおむねタチが悪い。ヤケドしては島田に泣きついた。
マナミ
彼女ってどんな人。
島田
うちの会社のアルバイトの子でね・・・。
マナミ
年下。
島田
まあね。(ニヤニヤ)
マナミ
ヤダ私、何でこんなにヒリヒリしてんだろ。
島田
食べないの?
マナミ
食べて。
島田
え?
マナミ
この大トロ、完食したらスピーチしてあげる。
島田
・・・わかった。
何で素直に従うのよ。だから私が増長すんだよ。愛されてるから何やっても許されるって。・・・私は島田を愛していたのかもしれない。とても子供っぽい方法で。
島田
はぁ、あと一個・・・。
マナミ
もういい、私食べる。
島田
え、なんで。
マナミ
そんなマズそうに食べられたらマグロが可哀想。
島田
・・・マナ?
マナミ
ん・・・。
島田
ひょっとして泣いてる?
マナミ
まさか、わさびがすんごく効いてるから。
島田
・・・幸せになれよ。
マナミ
馬鹿、それは、こっちのセリフだ。
島田
あそっか。
マナミ
やだ、これじゃホントに泣いてるみたい・・・。
これからは一人ぼっちだ・・・。泣きながら食べ、飲み、そして吐いた。吐きながらやっと言えた。
マナミ
島田、今までありがと、幸せになってね。