490話(2005年8月19日 ON AIR)
「燃えろ伊丹救心学園女子ソフトボール部キャプテン勝子!」

作・腹筋善之介

アブドラ

勝子さん、なんでそんな落ち込んではるんですか?

勝子

うちの事はほっといて。アブドラ、もう下校時間や。とっとと帰り。

アブドラ

いや、そんな落ち込んではる勝子さん見たら帰れませんよ。

勝子

自分、新聞見てないんか?

アブドラ

スポーツ新聞なら。

勝子

ほんだらわかるやろ!

アブドラ

…うーん?シナが移籍するとか?

勝子

プロレスの事言ってるんとちゃうねん。

アブドラ

スポーツ新聞ゆうても、プロレスのことしか見ないからわかりませんわ。

勝子

アブドラ、自分どこのクラブに所属してるん!

アブドラ

伊丹求心学園女子ソフトボール部。勝子さんがキャプテンです。

勝子

そうやろ。ほかに記事も見いや…オリンピックで、ソフトボールなくなるらしいねん。

アブドラ

へー。

勝子

へー、じゃないだろ!

アブドラ

ああ、はい。

勝子

うちの夢は、全部消えていく。甲子園にも行けない。オリンピックにも行けない。

アブドラ

エーッ!オリンピックに行くつもりやったんですか?

勝子

悪い?

アブドラ

いや、別に。

勝子

わかったろ。帰り。

アブドラ

勝子

なんやの?

アブドラ

勝子さん…。

勝子

えっ?えっ?(急に乙女らしく)

アブドラ

勝子さん。

勝子

無理。私は無理やで。

アブドラ

そんなこと言わないでくださいよ。俺…。

勝子

あかん!それ以上聞きたくない!

アブドラ

俺…。勝子さんに…。

勝子

聞きとうない!わたし帰る!

アブドラ

聞いてください!俺、この、高校に入って…。

勝子

もともと、女子高やった、伊丹求心学園にな。
今年から共学になってな。

アブドラ

はい。たった一人でもプロレス研究会作って、ほんでほんで世界一を目指して…。

勝子

悪かった!何度も言ったやん。でも必要やってん!
あんたが中学生の時野球部キャプテンで、あんまりにも激しいノックを毎日するから部員が居なくなって、廃部になったって聞いたから。
うちの部は貧乏クラブで、ノックマシーン買えないから、どうしてもあんたが必要やってん!

アブドラ

わかってます。

勝子

ほんま、ごめん。それだけやねん。
それだけの理由で、あんたを口説きにいったんや。
それだけ。なんの感情もない。ただの、部員集めの一環やってん!

アブドラ

衝撃でした。あんな劇的な入学式迎えるなんて思っていませんでした。
プロレス命になって、アブドラってリングネーム自分つけて、体鍛えまくってたのに。
負けたらソフトボール部に入るってかけて戦ったら、あんなに勝子さんが強いなんて。
編み出した俺の必殺筋肉ブレーンバスター地獄ヅキを受けても、そのまま俺に向かってくるなんて!

勝子

ごめん!

アブドラ

あの時から決めてたんです!

勝子

だから。私は誰も愛さないの!

アブドラ

勝子さんと世界一を見ようと!この人なら世界一を取りはる。
この人について行こうって。

勝子

は?えっ?

アブドラ

勝子さん。なんか考えてはるんでしょ!
ソフトボールで世界一になることを!
いつも一人残って、肉体トレーニングしてるの知ってるんです!
水臭い!何でも手伝わしてくださいよ!勝子さん。
俺、俺。あなたが世界一取るのに、ほんの少しでも、ほんの少しでも手伝えたらって思って。勝子さん(男泣き)

勝子

アブドラ!

アブドラ

勝子さん!

勝子

アブドラ!

アブドラ

勝子さん!

勝子

ありがとう!アブドラ!なんかうち、吹っ切れたわ!

アブドラ

行きましょう!
伊丹求心学園女子ソフトボール部キャプテン勝子さん!

勝子

いくでー!

アブドラ

行きましょう!今から何しましょう?俺?

勝子

まずは、国会の場所調べといて。後、総理大臣の家と。

アブドラ

行くんですね!戦いに!

勝子

戦うんじゃない!

アブドラ

すみません。交渉しに!

勝子

違う。征服しにいくんや!征服や!

アブドラ

さ、さすが勝子さん!行きましょう!
華道部と茶道部を征服したときみたいに!勝子さん!

勝子

ありがとう、アブドラ。うちは燃えてきたで!燃えてきたでーー!

  
  
おわり。
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