508話(2005年12月23日 ON AIR)
「白い夢 」

作 / 大正まろん

 
 

そこは、某結婚式場のドレスの試着室。
試着室の中には白いドレスを着たサクラ。外にはシゲルが居る。

  

なんだか動きにくいし、フワフワしてて甘えた感じだし、それに、なにこのへなちょこでウスウスの生地、こんなのすぐ破けちゃうよ。

それ着てリングで戦うわけじゃないんだから。

あーあ、ぜんぜん似合わねー・・・。

そんなことないって。

見てないのに、どうしてわかるのさ。
・・・想像だけど、サクラは色白いし、背高いし、姿勢いいし似合いそう、いや似合うに決まってるでしょ。
そうかな・・・。

似合わないわけがない!だから、

ちょっと説得入ってない?

んな事ないって。

絶対バカにされちゃうよ。
誰がバカになんかするんだよ。
普段は強がってるけど、お前もやっぱりフツーの女だったなって。

あなたは女でしょ。結婚式なんだよいいじゃないか別に。

だって笑われたら、ムカついてテーブルひっくり返しちゃうかもしんないよ、シャレになんないよ。

とにかくそこから出てきて、見せてよ。
無理。
じゃあさ、似合うか、似合わないかボクが見て決めてあげる。

ダメ、もう着替える。こんなチャラチャラしたもんは私には似合わない。

サクラが着たいって言ったんでしょ。

そうだ!これあんた、着なよ。
え、俺が?
あんたがウエディングドレス着て、私はタキシード。どう?ウケるよきっと。
サクラぁ、理屈に合わないこと言ってるのわかってっか?

あんたこそわかる?そんくらい恥ずかしいの、あんたがドレス着ろって言われたくらい、恥ずかしいの。

じゃあ、着物にするか、着物だったらチャラチャラしてないし、薄い生地でもないし、

ダメ。

何が、どうして。

和風だろ、和風のあのメイクするんだよ。みんなヒキまくりだよ。
もう・・・勝手にしろ。

え。

サクラが着たいもの着ればいいじゃない。オレ知ーらなーい。

ね・・・シゲちゃん。

・・・。

居ないの?

どうすんの。

私・・・私の母さんさ、結婚式挙げてないんだ。だから母さん、すごく楽しみにしてんだ、私のウエディングドレス姿。

そうか、お母さんの為に、
だけど、私は、私だもんな。妹も居るもんな。だからいいよなドレス着なくても。

じゃ、何着るの。

私もタキシードにする。
マジで?
だって、私が着たいもの着ていいって言ったじゃん。

言ったけど・・・本当にそれでいいの?

 

本当は、本当は・・・着たい、フワフワのブリブリのドレスが着たい・・・小さい頃からの夢だったんだもん・・・。

じゃあ、着なよ。

でもやっぱりさぁ、

ああもう、ああもう、何なんだよ、さっきからコロコロ意見変えやがって。

そんなに怒んなよ、これが、乙女心ってやつよ。ヘヘッ。

 

終わってまた始まる

 

 



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