568話(2007年2月17日 ON AIR)

「ラストシーン」

作・平野 舞
銃声
平野巡査
「小林警部~!」
小林警部
「この、オレとしたことが・・・うかつだったな」
平野
「警部!しっかり!しっかりして下さい!」
小林
「平野、無事か・・・」
平野
「あたしなんかをかばって。小林警部は、本当にバカです!」
小林
「フッ・・・バカとは、これまた言ってくれるな。
おまえはその元気の良さだけが取り柄だな。」
平野
「しゃべらないで下さい。今すぐ助けを呼んで来ます」
小林
「いや・・・もう・・・もういいんだ」
平野
「しっかりして!」
小林
「今、オレは満足している・・・。これでこのヤマもようやく解決するだろう。あいつを追い続けて3年。ヤツをやるかオレがやられるか・・・いつもそんなつな渡りの日々だったさ。こうなる運命だったのかもしれんな・・・」
平野
「私・・・私警部のこと誇りに思います。小林警部ほどすばらしいデカは日本中、いえ世界中、いえ宇宙中探したってきっといません」
小林
「宇宙中・・・か・・・スケール、でかすぎやしねぇか」
平野
「デカだけに・・・」
小林
「泣くんじゃねぇよ。さっきの元気はどこいったい?ああ、そうだ。・・・あれ・・・やんなきゃ・・・だな。タバコ、ちっと吸わしてくれや」
平野
「・・・はい。」
小林
「今時、マッチでタバコか・・・ふーっ(とタバコを吸って)うめぇや。やっぱデカの最期は、コレじゃなくっちゃな。・・・煙が空に登っていくぜ。」
平野
(泣く)
小林
「・・・平野・・・おまえに・・たのみがある。」
平野
「何ですか?」
小林
「署の裏庭にあるパンジーに、水をやってくれ。」
平野
「パンジー?」
小林
「それからとなりにあるトマトちゃんにも」
平野
「パンジーとトマトちゃんですね。わかりました。大丈夫です。安心して下さい」
小林
「ジャガイモ野郎にもよろしくたのむ」
平野
「ジャガイモ野郎」
小林
「あと、なすびとキャベツ。それに大根もだ。おっと・・・オクラも・・・忘れちゃいけねぇぜ」
平野
「警部、裏庭、耕してたんですね」
小林
「全部・・・食って・・・いいから・・・よ・・・(ガクッ)」
平野
「警部―!!」
小林
「あ、それから、おたまじゃくしのやつらも、まかせていいか?」
平野
「水槽のですか?」
小林
「カエルになったら・・・池に放してやって・・・く・・・れ・・・(ガクッ)」
平野
「け、警部―!!」
小林
「あ、それから」
平野
「警部っ!?」
小林
「最後に、・・・あれ・・・聞かせてくれないか。」
平野
「あれ・・・ですか?」
小林
「オレがおまえに教えた、あれ、だよ」
平野
「こんな時に何言って・・・」
小林
「こんな時だから。おまえが一人前のデカになるのが・・・オレの夢でもあるのさ、
マイ・ドリーム」
平野
「でも、でも私・・・」
小林
「さあ・・・。オレの命の炎がもえ尽きる前に。聞かせてくれ、平野。」
平野
「わかりました・・・・。」
平野、立ち上がり。
平野
「月にかわって・・・おしおきよ・・・!」
小林
「・・・ザッツ・・・オールライト」 (ガクッと尽きる)
平野
「警部のバカー!!」
おしまい