605話(2007年11月3日 ON AIR)
「 襟裳岬の大阪弁 」

作 /ごまのはえ

 

荒波の音。ウミネコの声とかしてる。

   

ゴミって漢字でどうかくか知ってる。

は?

ゴミ。漢字で。

(遠くを指差し)あの人、自殺かな。

え?

あそこ、一人で歩いてる人。

そう見えるだけやろ。

…私らどんな風にみえてるんやろ。

美しいを護るって書くねんて。

どんな字?

だから護衛の護に美しい。で、護美。昔働いてたコンビニのさ、ゴミ箱に書いてあった。

へー。

うっとうしいよな。

何が?

うっとうしいよ。そういう心がけを漢字で表しやがって。

全然うっとうしくないよ。いいことやんか。

   
 

   

ごめんうっとうしいわ。

やろ。

私思いっきり人を好きになりたいねん。疲れとかお金とかそういう日常から全然はなれて、人生とかどうなってもいいねん。ほとんど冒険やねん。好きな人のために全部捧げたいねん。そういう気持がずっとあるねん。

知ってるよ。

その好きな人があんたやったらいいなーって思ってる。

…。

でも「将来に対するぼんやりした不安」って言うんかな、何やろ、きっと私の個人的なことやとおもうんやけど。

わかってる。そんなに考えることないよ。

ありがとう。なんやろ、こんな寂しいとこに来たからかな。なんか悲観的になってる。ちょっと太宰治みたい。

太宰は津軽やで、青森。

あ、そうか。

   
 

   

ちなみに「将来に対するぼんやりした不安」っていうのは芥川龍之介な。

へー。

   
 

   

 やっぱり、あんたうっとうしいわ。

…。そうか…。

   
おわり
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