806話(2011年9月10日 ON AIR)
「カイカイまり子」

作・ピンク地底人3号

  
 

まり子が布団にくるまりスヤスヤ眠っている。
そこへプーン・・・プーンと耳障りな音がしはじめる。
ぷーん・・・ぷーん・・・

  
 

音が止まった。

  

むふぅ。それでは、いたやきまつ!!

  
 

しかしまり子が寝がえりを打って、ごろり。

  

あ!!ちょ!!あぶな!!(再び耳障りな音)

まり子

むにゃむにゃ・・・

デンジャラス!超デンジャラス。こらまり子。じっとしとけや。何しとんねん。
今から俺、ディナー御飯やねんけど、わかってう?あのね。ユーからしたら、ディナー御飯の時間は7時いうかもやけど、俺はちゃうねん。マイディナーご飯、これ、ミッドナイトのことねんか?夜中の12時ジャストなフィット、おまいら寝静まるナウ。今しかないねん。かっこええやろ?おい。まり子。聞いてんのか?
今しかないって、なんかかっこええやろ?おい。青春ちゃうんか。おい。まり子。
こら。聞いてんのか?

まり子

うるさいぃ・・・むにゃむにゃ。

うるさないわ。もっと俺のカッコよさ、俺のクールさ。俺のクールビズ認めていこうや。
半袖半袖でこれ。そこから始まるサムシングがあるやんか。見て。俺の半そで見て。アメレカ村で買うたねんけどどう思う?

まり子

むぅぅぅうるさぁいいいぃぃぃぃ・・・

・・・まぁええわ。とにかくじっとしとけ。俺、早食いでフェイマスなことやしな。じっとしとけよ。

  
 

耳障りな音が止まる。

  

それでは、いたやきまーつ。

  
 

グサリと何かが刺さる音がしてから、キューインと何かを吸い込む音がする。

  

うまぁ。まり子のこれ、うまぁ。やっぽり俺はA型じゃないと、うまぁ、あかんこと、うまぁ、A型うまぁ。

  
 

キューインの音が激しくなる。

  

ってあれ?・・・おい。なんやこれ。え?うせ(嘘)やん?抜けへん。俺のニードル全然抜けへんねんけど。あれ?あはは。うせやん!?

  
 

するとまり子が布団をガバッ!!
目を開けてにやり。

  
まり子

・・・むふぅ。

ユー!寝てたんちゃうんか?

まり子

ウチ、タヌキ寝入りしてたねんけどどう思う?

おい!抜けへん!俺のニードル、めっちゃお前の皮膚でこれ、おい。抜けへん!

まり子

うん。知ってうよ。

ヘイユー!いったい何をしたんや!!

まり子

あんな。昨日、ウチ、幼稚園でな。あんな。うち、幼稚園のコスモシュ組におうねんけど、その中のお友達のな、ゆう子ちゃんいう子がおうねんけど、こうやってな。めっちゃお腕にな。あんな。力をな。めっちゃ入れうねん。そしたらな。ウチのお腕が固くなって、自分の針がな、抜けへんてな。あんな。ゆう子ちゃん言うててな、あんな。ウチ、それを試したくてずっと、この時を待ってたこと、これ誰にも内緒のことでウチのお胸は、胸がいっぱいいっぱいやったことねんけど、どう思う?

(上の長台詞の間抜けへん。あれ?おかしいぞ。とか後ろで言ってる)やばいって!!それやばいって!!早く力抜け!!ユーのマッスルガチガチでこれもう。
ちょ。全然抜けへんから、どんどんどんどんユーのブラッドが俺の体に!!

  
 

○の体に大量の血液が(ドラマチックに)溜まっていく音がする。

  
まり子

いままでよくもウチの体、カイカイしてくれたな?自分に刺される度、ウチ、カイカイなって泣きそうなってたねん。これ復讐のことねんで。うきゃうきゃ。

悪魔!!デビル!!五歳児はもっとイノセントでなきゃあかん!!

まり子

知らんもん!!うきゃうきゃ!

もうこれ以上、腹にユーのブラッド入らへん・・・嗚呼!いやもう無理!ギブアップ!まり子!!すまん!!もう吸わへん!!だから後生や!頼む!!腕の力を抜いてくれ!!

まり子

どうしおうかなぁ。

そんなん言わへんと!!俺、死ぬ!!エクスプロージョンすう!!

まり子

もうウチのこと、刺さへん?

もうせん!絶対せん!!断食すうわ!!ガンジー目指す!生まれ変わったらインド人になう!!約束すう!!プロミス!プロミス!

まり子

ほんまに?

ほんまにほんま!!

まり子

・・・んん。じゃあ。許してあげう。

ほんまか!?

まり子

今回だけのことやで。

  
 

するとズボっと、針が抜ける音がする。再び耳触りな音。

  

はぁはぁ・・・助かった・・・助かったぞ。うう。めっちゃ腹いっぱいやぁ。
こらまり子!!よくもナメた真似してくれたな!!今度は俺がリベンジしてやう!!ユーのバディー。めっちゃカイカイカイカイにしてやうからな!!覚えとけよ!!リメンバーミー!!リメンバーミー!!あ。

  
 

いきなりバチンと○を叩く音がする。

  

ぎゃん!!

  
 

隣で寝ていた母親が目覚めたのだ。

  
母親

んーもううるさいなぁ。

まり子

お母ちゃん!!

母親

なんや。まり子、起きてたん?

まり子

やっつけたん?

母親

んん。(掌を見て)嗚呼。血、べったり。まり子、あんためっちゃ吸われたんちゃう?

まり子

え?・・・あ。(と思い出したかのように腕をカイカイし出す)

母親

ちょっと見せてみ。あ。あんた腕、めっちゃプックーなってるやんか。

まり子

う・・う・・うわぁぁぁぁぁぁぁん!!(泣きだす)カユイおぅ!!うわぁぁぁぁん!!カユイおう!!!!

母親

はいはい。カユイのカユイの飛んでけ~

まり子

うわーん!お母ちゃん!!うわぁーん!!

  
 

蚊の声が聞こえた気がして・・・

  

生まれ変わったら、俺、ガンジー!!うぉぉぉぉ!!ガク!

  
  
終わり
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