992話(2015年4月4日 ON AIR)
「わたしはおねえさん」

作・ナカタアカネ

  
 

バタバタと走ってくる音。

  
少女

ねえ、何かお手伝いすることなあい?

どうしたの、ちーちゃん?

少女

今日は・・・・何かお手伝いしたい気分なの。

ん・・・・ひょっとして、春休みの宿題で「お手伝い」があるとか、そうでしょ?

少女

ちがうもーん、そんなんじゃないもん。
ねえねえ、お手伝いなんかなあい?

うーんと・・・今は、ないかなあ。

少女

もう。

どうしたの、お手伝いなんて・・・・ちょっぴりお姉さんっぽいこと言ったりして。

少女

(照れ笑いしながら)分かっちゃった?
だって・・・・・「おねえさん」になるんだもん。

おねーさん?

少女

そう、おねえさん!

おねえさんって・・・・もしかしてもしかして・・・・
ええっ、そうなの・・・ちーちゃん!?

  
 

玄関のドアを開ける音。

  

ただいまー、遅くなっちゃったスーパー混んでて。

お、おかえり・・・・・ね、そうなの本当に!?

ええっ・・・何・・・どうしたの?

いや・・・・・その、なんて言ったらいいか、ほら・・・ちーちゃん。

少女

ちーちゃん、「おねえさん」になるの。

ほら。

少女

ねー。

なんで、言ってくれないの・・・・水臭いっていうか、なんていうか、ねえ。

えーと・・・・・ちーちゃん、どういうこと?

少女

明日、1年生の子達のおねえさんになるんだよ。

ん?

ああ・・・入学式の時に、お手伝いするってプリントに書いてたわね。

えーと、つまり・・・。

少女

「きょうだい学級」っていうのがあって、
ちーちゃん達のクラスは、1年生のお兄さんやお姉さんになるの。

え・・・・・ああ、そっちの「おねえさん」ね・・・・・。

どの「おねえさん」だと思ってたの?

(笑ってごまかす)

少女

ねえねえ、お母さん・・・何かお手伝いすることなあい?

そうね・・・・お手伝いして欲しいこともあるにはあるけど、
明日のお手伝いってどんなことするの?

少女

えーとね、1年生の子のお洋服にお花のコ、コサ・・・・・なんだっけ?

コサージュ?

少女

そう・・・・それをつけてあげて、一緒に手を繋いで・・・・
えーと体育館を行進するの。

ああ、入場ね。

少女

そうそう、それ。

そうか、ちーちゃんも・・・おねえさんデビューか・・・・ちょっと、危なっかしいけど。

(少し笑って)そういうところ、あなたに似てるわね。

ええっ・・・・・結構しっかりしてるけどなあ。

そう?

勿論、こう見えても「お父さん」ですから。

それもそうね。

  
 

2人思わず笑う。

  
少女

ねえ、ちょっとお手伝いの練習のお手伝いして欲しいんだけど。

何したらいいの?

少女

1年生の役、やって。

ええっ・・・・・うんちょっと・・・かなり大きな1年生役だけどいいかな。

少女

いいよ・・・・やっぱり、大きいかな。

ひどいなあ、ちーちゃん。

  
 

3人思わず笑ってしまう。

  
  
  
終わり