996話(2015年5月2日 ON AIR)
「世界の終わりはねばねばだった」

作・ピンク地底人3号
ゲスト出演・大木湖南

  
 

ネバネバした音。

  

うぉ……くさい……くさい。

  
 

そこへ女がやってくる。

  

あのすいません。あなたも遭難者ですか。

ええ。そのようです。

ここは……どこですか?

……わかりません。

これ、納豆ですよね。

そのようです。

世界はいつの間に納豆で溢れかえってしまったのですか?

わかりません。気が付いたらここに。

……同じです。最後の記憶、それは納豆を食べている記憶……

……同じです。あ。

え?

ちょっと動かないで……頭に刻みネギが。

  
 

ネギをとってやる。

  

ほら。

ありがとうございます。あ。

え?

ちょっと動かないで……頭に細切れのイカが。

  
 

イカをとってやる。

  

ほら。

ありがとうございます。

納豆にイカはいれるタイプですか?

もちろんです。イカの入っていない納豆なんてただの納豆です。僕の求める納豆はイカ納豆です。

……わかります。

……本当ですか?

ええ。心の底から。

……はじめてです。イカ納豆に共感を示してくれた方は。あ。

え?

ちょっと動かないで……耳に何か入ってます。

  
 

男は何かをとってやる。

  

これは……キムチだ。

……ごめんなさい。

……なぜ謝るんです?

……実は私、イカも大好きですけどキムチが……キムチ納豆が……好きなんです。

……僕もです。

え?

イカと同じぐらい……

……ふふふ。

……ふふふ。

……ここ、暖かいですね。

……ええ。納豆はいつでも僕らを優しく包んでくれる。ちょっと臭いですけど……

その臭さに私は親しみを覚えます。

……さて、どうしましょうか?

とりあえずどこか陸を探さないと。

そうですね……ああ。そうか何か足りないと思ったら。

なんです?

……ライスですよ。

……ああ。

きっと陸にライスがあるんでしょう。

……卵もあるかな?

ふふふ。ありますよ。

  
 

二人は納豆の海を泳ぎだして……

  
  
  
終わり