ラヴィーナ STORY FOR TWO
クリスマススペシャル1999
“プロポーズ”


第2話
「あのころ・・・」
作/深津篤史

出演/  工藤 俊作(199Q太陽族)
   酒井アンナ(WI‘RE)

     強い風が吹きぬけた

男    さぶっ

女    こめんな、つきあわして

男    いや、ええねん、ええねん、

女    ほんまに?

男    冬の海もええもんやし。海の男やでーゆうかんじ

女    (少し笑って)うち、ちょっとのんびりしたいなあ思て

男    うんうん

女    人ゴミとか好かんし。

男    俺も

     といって男は缶ビールのフタをあけた

男    ま、かんぱいしよ

女    うん。

     女も缶ビールのフタをあけた

女    なにに?

男    そやな、ええと・・・ええ天気に。

女    うちら会う時ていっつもええ天気やな

男    日頃の行いがええからな

女    ほんまに?

男    (笑って)それから太くなったまゆ毛に

女    何それ。

男    まゆ毛太くなったやん

女    わかる

男    わからいでか、俺、君の太―いまゆ毛が好きやねんから。

女    (笑って)ヘンなシュミやなあ

男    君、調子悪い時まゆ毛細なるやろ

女    え

男    大体、いっつも

女    そうなん

男    あ、気い張ってんねんなあて思う

女    若作りしてるだけやって

男    太い方が若く見えるで

女    あーなんかもう

男    何

女    あいかわらずやなあ

男    そうか?

女    あいかわらずの2人にかんぱいしよう

男    うんうん

      2人、かんぱいしてビールをのむ

男    つめたあ

女    うん

男    後頭部がキーンてするなあ

女    昨日、彼女と一緒やったでしょう

男    へ?

女    2人で手えつないで梅田歩いてた

男    そんなことない

女    でも 見たもん

男    いや、それはない。だって・・・

女    見たもん、夢で

男    はあ?

女    ごめん、びっくりした

男    いや、うん

女    夢でな、2人仲良さそうに歩いてんねん。信号の所でな、
      目そらすんも変やし、そんな理由もないし、私、声かけたん
      やんかあ。

男    うん

女    無視したでしょ

男    したでしょって、夢やろ

女    夢やけど

男    何

女    ちょっと さみしかった

男    うん

女    何なんやろなあ

男    俺も

女    何 

男    君の夢みてん

女    どんなん

男    君が病気になる夢

女    元気やで

男    まゆ毛太いしな

女    (笑って)もう

男    それからな

女    他にも?

男    君がヤクザとつき合ってる夢

女    うそお

男    おっさんやねん、それも2人。俺と三つ巴、ちょっとびびったけど

女    なんか

男    ロクでもない夢ばっかしですまんなあ

女    心配?

男    いや、ええと

女    大丈夫、私、幸せやから

男    うん

女    私もよう夢に出てくるよ。でも大体

男    ロクでもないのばっかし?

女    そうそう

男    お互い長いしなあ

女    うーんと、4年

男    うん

女    うち、彼氏と別れるたんびにデートしてもろてるなあ

男    ちょっとは落ちついたん

女    うん、もう元気

男    良かった、安心したわ

女    そっちはうまい事いってるの

男    いや、ええとな。

女    私、告白されてん、こないだ

男    え、また

女    またて、人聞き悪いなあ

男    ええ男か

女    うん、いい人

男    幸せ?

女    幸せなんかなあ。けど、昨日はあんな夢みて、
      今朝少しおちこんだし、これって何なんかなあって思って。
      今もな、あって話したら落ちつくし、すっごいのんびりしてる
      なあて気分になるし、けど、うち帰ったらさみしくなるし。

男    うん

女    さびしいから穴埋めとかとちがうねんで

男    うん

女    いい人やねん、今度の人

男    幸せか

女    自分かって、幸せなくせに

男    まあな

女    (笑って)あ、なあ、ホットドック食べへん。冬の海てホットドッグやろ

男    それ

女    そう、そういうてホットドッグたべたよな、4年前、はじめてのデートで。

男    うん

女    私、買うてくる

     と言って、女はかけていった。

男    別れてんって、もう言い出せんか。


 
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