第1回受賞作品

全体講評

審査員 日下 慶太さん
審査員日下 慶太さん

第1回目ということもあって、作品が来なかったらどうしよう、審査員のせいにされてまう!と焦っていましたが、思った以上にたくさん来てよかったです。たくさんの応募、みなさん本当にありがとうございました。
作品の全体的な傾向として会話の掛け合いが多かったです。ラジオCMというのはいきなり音で人をつかまなくてはいけません。車でラジオを聞いていて、パーソナリティのおしゃべりの後にまたおしゃべりのCMが入るよりも、何か全然違う種類の音が入る方がハッ!と注意を惹きつけらますよね。だから、会話よりも他の違った音の世界を提供してくれるともっとよかったですね。歌、ケータイの着信音、石焼きいものアナウンス、神戸港の汽笛、餃子を焼く音、スワヒリ語、宇宙人の声……音の種類は無限です。「こんな会話がおもろい」もあるけど「こんな音が出てきたらおもろい」ってのも次は考えてみるといいかもしれません。みなさんの原稿には神戸、兵庫らしさがあふれていて、大学時代に過ごした神戸の街の思い出にどっぷり浸れました。作品に影響されてか、審査帰りにメリケンパークで船を見ながらたそがれて、元町ぶらぶら歩いてビーフン食って、中古レコード買って帰りましたよね。

グランプリ

フジドリームエアラインズ様
「すぐそこの山」篇

糴川 航嗣さん(大阪府)

上司:
山田君、明日、登山だって?
山田:
ええ、すぐそこの山ですけど。
上司:
ああ六甲山か。
山田:
いえ、すぐそこの北アルプスです。
上司:
はあ?
SE:
ジェット機の飛行音
NA:
北アルプスも、すぐそこの山。神戸空港から信州まつもとへひとっ飛び。フジドリームエアラインズ
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審査員 日下 慶太さんコメント

神戸から松本まで1時間、私も大阪から利用したいなと思うほどの商品が持ついいニュース。よい作品が多かったです。選んだものはそのニュースをドキっとさせて教えてくれるもの。最後にどんでん返しがあるのがよかったです。そして、締めのコピーがめちゃ秀逸で匠の技です。

準グランプリ

フェリーさんふらわあ様
「ゆとりある旅」篇

濱 弘さん(大阪府)

SE:
新幹線が発車する音
乗客:
すみません。席、倒してもいいですか?
SE:
飛行機が飛び立つ音
CA:
すみません、お客様。シートベルトは常に着用をお願いします。
SE:
海の音とカモメの鳴き声、フェリーが運航する音
船客:
すみません。大浴場ってどこですか?
NA:
旅路にゆとりを。フェリーさんふらわあ。
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審査員 日下 慶太さんコメント

これ聞いて確かにフェリーを使いたいと思ったんです。他の作品にはほとんど見られなかった競合企業を意識して作っていたことがよかったです。たかが20秒のCMといえど、商品を魅力的に見せようと作品の裏にある戦略が見られたことがよかったです。また、中身について効果音と会話をテンポ良く配置し、上手に構成している点もよかったです。

スポンサー賞

結城建設様
「一緒建命 宿題」篇

ひのきさん(東京都)

※先生と男子小学生の会話(関西弁)
先生:
結城!なんで漢字の宿題半分しかできてないねん!
生徒:
一文字一文字丁寧に書いたらそんだけしかできませんでした!
先生:
素晴らしい!!
美しい字も豊かな暮らしも、
こだわるからこそ、量産は難しい
NA:
1年間で24棟しかつくらない。豊かな暮らし、その先へ、一緒建命。結城建設
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審査員 日下 慶太さんコメント

なかなか難しいお題でしたが、まったく違うことを最後に商品につなげていて意表をつかれました。私もキャッチコピーを書くのを年間24本に限定しようと思います。

住まい工房ふらっと様
「ふらっと寄ったお店」篇

ハペピさん(東京都)

女性:
いらっしゃいませ!
男性:
ある日フラッと立ち寄った所は
女性:
リフォームをお考えですか?
男性:
とてもフラットに接してくれる
女性:
ありがとうございました!
男性:
「ふらっと」という名のお店だった
SL:
♪街の便利な工務店 住まい工房ふらっと♪
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審査員 日下 慶太さんコメント

一度聞いたら企業の名前をつい覚えてしまう。それはいいCM。テンポがとてもよくて、できあがりをよくイメージできていましたね。ぼくもふらっとこの作品を選んでしまいました。

兵庫日産自動車様
「この町に似合う車」篇

山田 龍一さん(長崎県)

女性:
三宮でお買い物
南京町で中華ランチ。
そして、歌を聴きながら、宝塚まで観劇へ。
NA:
この町のサイズには、この車がちょうどいい。
コンパクト、だけど、ラグジュアリー。日産オーラe-POWER、兵庫日産で、ご試乗ください。
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審査員 日下 慶太さんコメント

最後のコピーがとてもいいです。実際に車が神戸の街を走るシーンをイメージできました。ただ、もっとよりリアリティを持って、神戸の街を走るシーンを描いてくれたらもっとよくなったかなあとも思います。

兵庫県様
「ひょうご県のグルメ CA」篇

水井 歩さん(東京都)

CA:
ビーフ or チキン
お客:
(心の声)兵庫といえばやっぱりあれだよな…
ビーフ プリーズ
CA:
or フィッシュ or ベジタブル or ヌードル or スイーツ or
オクトパス or オニオン …
NA:
なんでもあって、どれも良い、兵庫県。
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審査員 日下 慶太さんコメント

CMの訴求ポイントを絞るのが大変でなかなか難しいお題でした。でも、それを見事なアイデアで仕上げていて素晴らしかったです。ぼく、こんなうまく考えつかなかったかも。プロも顔負けです。

日本丸天醤油様
「減らない理由」篇

原田 智光さん(山口県)

:
タカシ、いつもの日本丸天醤油送ろうか?
息子:
いいよ、まだあるから。
:
あら、自炊が面倒くさいんでしょ?
息子:
そうじゃないけど。
:
じゃあなんで?
息子:
使うと帰りたくなっちゃうんだよ。
NA:
美味しい!の思い出のそばに。
日本丸天醤油株式会社
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審査員 日下 慶太さんコメント

よい作品が多く激戦でした。選んだものは「おふくろの味、それは醤油の味」という発見があること、母と息子の会話のリアリティがあること、最後のキャッチコピーがよかったことが評価できました。

ケンミン食品様
「お義父さん」篇

竹泉 維人さん(熊本県)

SE:
ししおどしの音
男1:
お義父さん、僕に、僕に、お嬢さん…のお好きな焼ビーフンの作り方を教えて下さい!
男2:
誰にでも作れるでー
SE:
炒める音
男1:
ホントだ!?
NA:
誰が作っても、ちゃんとうまい。ケンミンの焼ビーフン
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審査員 日下 慶太さんコメント

選んだものは構成がシンプルでわかりやすそうでした。何よりおいしそうでした。応募数はとても多かったのですが、切り口がどれも似ていてもっといろんな視点のものがあってもよかったかな。

森本倉庫様
「スタメン発表」篇

山田 聡司さん(京都府)

監督:
それでは、今日のスタメンを発表する!
キーパー、森本!
ディフェンス、森本!
ミッドフィルダー、森本!
フォワード、森本!
補欠:
森本ひとりで全部やるやん…
NA:
そうなんです。森本倉庫は通関・保管・輸送の総合物流サービス。
全部やります森本倉庫!
監督:
ビル事業も、森本だあ!
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審査員 日下 慶太さんコメント

いろんな切り口からの作品が見れてよかったです。選んだものは、シンプルなことと、商品への落とし方への落差があってよかったです。20秒ってこれぐらいのシンプルさでいいんです。