結果発表

全体講評

審査員 廣瀬 泰三氏
審査員廣瀬 泰三氏

今年も熱い思いがこもった原稿を審査させていただきました。
熱々の原稿で火傷しそうで、軍手をしながら審査したくらいです。嘘です。
という冗談抜きで、みなさんのラジオCM熱をすごく感じました。

「どう驚かせてやろうか?どう笑わせてやろうか?どう感動させようか?」
そんな企みにドキドキして、そういう原稿に出会えるのは、嬉しいかぎりです。

ただこのコンテストは実際に収録もします。
その点で惜しいものも多かったです。実際に「音にしてみたときにどうなるのか?」
の検証をするとさらに面白くなりそうな原稿も多かったです。
そのためには、自分で書いた原稿を自分で読んでみてスマホに録音してみてください。
「20秒にうまく入るか?」はもちろん、さらに原稿が良くなるヒントが見えてくるかと思います。
・・・そんなアドバイスをしたくなるほど、いい原稿が多く楽しい審査でした。

グランプリ

甲南防災株式会社 様
「キャンドルサービス」篇

東影 陽一さん(埼玉県)

SE:
結婚披露宴
司会:
「本日のキャンドルサービスは、新郎新婦の希望により、ペンライトになります。テーブルに回ってきましたら、スイッチをお入れください。」
NA:
火災を未然に防ぐには、まずは防災意識です。そして、防災対策は「甲南防災」
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

絵が浮かぶラジオCMは面白いです。当の本人たちは大真面目な顔で、なんともシュールな絵が浮かび、ついニヤッとしてしまう。すごく読後感もいいCMです。

準グランプリ

有馬温泉 太閤の湯 様
「理由」篇

竹泉 維人さん(熊本県)

女の子:
「お母ちゃん、なんで休みの日はいつも太閤の湯なん?」
:
「温泉って男湯と女湯に分かれてるやろ」
女の子:
「うん」
:
「お父ちゃんの顔見んで済むねん」
SE:
お湯をかける音
NA:
色々お湯に流そう。有馬温泉 太閤の湯
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

ただただ笑いました。と同時に、なるほどとも思いました。太閤の湯は「家族でどっかに行きたい」という欲と、「顔は見えないくらいの距離もおきたい」という相反する欲を同時に満たす奇跡のような場所なのか?とすら思えてきました。

スポンサー賞

※以下50音順掲載

イオンモール神戸南 様
「中止」篇

脇川 一也さん(愛知県)

:
「桃太郎親分。そろそろ行かないと。鬼も待ちくたびれてますよ。」
桃太郎:
「じゃあ聞くけど、鬼退治とここでのショッピング、どっちが楽しいと思う?」
:
「鬼退治は中止にしましょう」
桃太郎:
「だな。」
NA:
お買い物をハッピーに。
イオンモール神戸南
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

なぜ鬼退治前にイオンによったのか?という疑問はさておき、大事なことを忘れさせてくれる楽しいところというど真ん中のメッセージが功を奏しました。

おかだ歯科 様
「ケンカ?」篇

清水 利昭さん(東京都)

おじいさん:
「いーだ!」
おばあさん:
「いーだ!」
:
「ママ、おじいちゃんとおばあちゃんがケンカしてる。」
:
「違うのよ、歯の見せ合いっこしてるの。」
おじいさん&おばあさん:
(声を揃えて)「いーだ♪」
NA:
キレイな歯は自慢したくなる
あなたの町の、おかだ歯科グループ
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

かわいく微笑ましいのがいいです。冒頭のやり取りで「?」を与えて、最後まで聞きたくなる、という構成もラジオらしくて素晴らしいです。

ケンミン食品株式会社 様
「不動産屋」篇

松本 優さん(兵庫県)

店員:
「今日(きょう)はどのようなお部屋をお探しですか?」
お客:
「深夜、急に焼きビーフンとはるさめを食べたくなることがあるので、ケンミンの自動販売機が近くにある所!」
SE:
パソコンのキーボードを叩く音
お客:
「冷凍だからコンパクトに収まって、保存が利くのも魅力なんです。」
店員:
「自動販売機は5丁目にあるようですね。」
お客:
「じゃあ、その自動販売機まで案内して下さい!」
店員:
「お、お部屋は?…」
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

コントの途中経過を見せられているようなある意味新しいCMです。最後商品名でおさまりよく・・・という形じゃないのがまたいいです。

コープ自然派 様
「おいしい理由」篇

岡田 英子さん(広島県)

子供:
「ママ、この食パン、おいしいね」
ママ:
「そうね」
子供:
「何を入れて作ったら、こんなにおいしくなるの?」
ママ:
「何も入れないようにして作ったから、こんなにおいしくなったのよ」
子供:
「え?」
NA:
添加物は使いません
国産小麦100%のおいしいパンをお届けします、コープ自然派兵庫です
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

商品のメリットを伝えるのに、一見よくある都合のいい会話に見せかけつつ裏切りがあっていいです。自然な親子の会話で成立させる力量に脱帽です。

株式会社シィメス 様
「そろそろ」篇

岸田 和華子さん(東京都)

SE:
お茶を注ぐ音
:
「結婚30年。子どもたちも独立したし」
:
「夫婦ふたり暮らしになったし」
:
「そろそろかね」
:
「そろそろかもね」
:
「り……」
:
「離婚」
:
「リフォームだよ!」
NA:
ガス機器販売からリフォームまでシィメスにご相談ください。
:
「シィメスだよ!」
(発音は シメス となります)
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

笑ってしまいました。でもすぐにドキッとさせられました。冗談だけど本音がほんのり見え隠れするこういうやり口は印象に残ります。

神港学園高等学校 様
「田中の変化」篇

清水 利昭さん(東京都)

女子生徒:
「先生。田中くんが騒いでます。」
先生:
「え?マジメに授業受けてるじゃないか。」
女子生徒:
「 いいえ。騒いでます。」
先生:
「田中、どうした?」
田中:
「血が騒いでます。」
NA:
やりたいことが見つかれば、あとは一直線。夢をつかめ。 神港学園高等学校。
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

学校の広告ってすごく難しいのですが、メッセージが等身大で共感できました。静かに血が騒ぐ若者を応援してくれる学校。いいですよね

新明和工業株式会社 様
「新明和してる?」篇

脇川 一也さん(愛知県)

先生:
「田中さん、荷物運んでくれてありがとう」
:
「田中の奴、新明和してるな~」
:
「どういう意味?」
:
「目立たへんところで大活躍する事を、「新明和してる」って言うんやで」
NA:
皆さまの暮らしを影で支える
新明和工業
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

ラジオCMにおいて聞きなじみのない新しい言葉を作るというのは、すごく有効です。ただ、もしかしたら状況をサッカーの実況のシーンにして、今の田中選手は新明和してましたね~とかにするとさらに納得度があがるものになったかもです。・・・などと口出ししたくなるほど良い切り口でした。

西播グループ 様
「再生数」篇

清水 裕一朗さん(静岡県)

:
「凄い再生数だな。」
:
「えぇ、でもこれだけ再生数があっても、まだ全然世間では認知されてないんですよね。」
:
「もっと、知って欲しいよな、産業廃棄物は資源に再生できるって。」
NA:
産業廃棄物は、循環型リサイクルで資源に再生できる。人と環境の未来を創造する会社、西播グループ。
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

1行目が素晴らしい。ラジオCMって1行目が大事で、そこで引き付けられたらかなりいいという代表的な例です。

多木化学株式会社 様
「未完成」篇

鈴木克己さん(大阪府)

上司:
「新しい美容液は完成したか?」
部下:
「いえ、まだです」
上司:
「いつまでかかってるんだ、発売日は明日だぞ!」
部下:
「でも・・・完成するのはお客様の手のひらですから」
NA:
手のひらで溶かして使う美容液 多木化学のうるみこ「コラーゲンヴェールセット」
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

商品にニュースがあり、そこが一番残るような構成にしたのが勝因です。ボクも「そんな美容液があるのか」とシンプルに驚きました。

株式会社ナカノ商会 様
「ひつじ」篇

清水 裕一朗さん(静岡県)

:
「羊が1台、羊が2、、、ナカノ商会」
:
「寝ちゃった」
:
「安心して任せられる物流会社だからな」
NA:
羊のマークが目印 物流と雇用で社会に貢献
SL:
ナカノ商会
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

羊が一台。というナンセンスな言葉で始まるのが良いですね。聞きたくなる。寝ちゃう=安心できる物流会社というつなげ方もいいです。

日本予防医薬 様
「遅かった発明」篇

鵜野 勝博さん(千葉県)

博士:
「出来たぞ!」
助手:
「やりましたね博士」
博士:
「これで人類が疲れから解放されるぞ
しかし、疲れた…」
助手:
「博士、どうぞ」
SE:
ゴクゴク音
博士:
「コレ何?」
助手:
「疲労感軽減ドリンク、イミダペプチドです」
博士:
「もうあったのね~」
女性NA:
毎日飲んで、笑顔と元気を
日本予防医薬
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

アホらしすぎる話の展開がいいです。←褒めてます。この力が抜けてる感じが、実際にラジオを聴いている人の距離感と近いと思います。

平野屋質店 様
「女神」篇

岡田 英子さん(広島県)

SE:
(ポチャン)
女神:
「あなたが落としたのは、この金の斧ですか、それともこの銀の斧ですか」
:
「・・・その金と銀、よろしかったら鑑定させていただけませんか?」
女神:
「え?」
:
「もしかして高値がつくかもしれませんよ」
女神:
「ほ、ほんとに?」
NA:
神戸市西区の
(SL)平野屋質店
作品を聞く
審査員 廣瀬 泰三さんコメント

この話をモチーフにしたラジオCMは正直よくあるのですが「案外お金に興味がある」という女神のキャラが面白いと感じました。俗っぽい女神、いいですね。