KOBE MUSIC ATLAS

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毎週土曜
19:30 ~

この番組では音楽を味わえる神戸のお店を紹介していきます。
「音楽を楽しみながら…」というスタイルを皆さんの生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
あなたの好みにあったとっておきのお店が見つかるかも…。

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2015/11/28 『GOSPEL』

第4回目にご案内するお店は神戸・元町のバー「GOSPEL」。2015年8月に25周年を迎えた神戸のサウンドバーの草分け的存在のこのお店を案内するのは落語家の笑福亭鉄瓶さん。

笑いの事・落語の事を考えたいときは一人飲みにでるという鉄瓶さん。初めてGOSPELを訪れて、まず気になったのは店主・大倉カイリさんの佇まいでした。その佇まいは鉄瓶さんの目に「飄々とした感じ」に映ったようですが、カイリさん曰く「そう見えますかね??自分では自分のことよく分かんないんで、アレなんですけど。エエ意味でとぼけるというか…」と切り出してくださいました。

「最初の頃は(お客さんの話を)覚えるようにしてたんですけど、どちらかというと「話を聞いてほしい」というお客さんが多いので、聞き役に回っている事が多い」というカイリさんに鉄瓶さんが冗談っぽく「僕もあと2杯くらい飲んだら悪口を言い出すかもしれませんけど、忘れてくださいね」というと笑いながら一言「バーは噂を言わないってのが鉄則ですからね」とも話してくれました。

鉄瓶さんの目に飄々と映ったのは、お客さんと絶妙な距離感を保ち、音楽とお酒を楽しんでもらう為のカイリさんの心配りからくるものだったのでしょうか。その心配りに乗せられたのか、鉄瓶さんも「ジャズが同じ曲でも演奏する人やその場の雰囲気によって違って聴こえるのと同じように、落語も同じ演目でも噺家さんやその日の空気によって違って受ける印象が変わってくる。なので、(落語も音楽も)生き物なんです。皆さんと一緒にswingしないとウケないんですよね。」と落語に対する想いを話し、それに対して「バーもそこに入っている人間の個性やしゃべり方、内装の雰囲気とか、(バーである事の)基本は一緒やけど個性で自分の色を付けていこうというのはありますよね。」と答えてくださったカイリさん。

そもそもバーに興味を持ち始めたきっかけについて伺うと、「18歳くらいですね。ちょうど高校卒業してスグくらいですね。お兄ちゃんが先にバーに入っていてましてね、そのヘルプっていう形で僕がちょっと入るという…。興味もあったんですけどね。
その当時はショットバーが少なくて、今でいうスナックっぽい感じの店が多くて、(バーで感じた雰囲気が)新しい世界に入ったようで、ガツンときましたよね。」との事。

18歳の時に「ガツン」を受け、25歳で自身のお店を持ち、その後25年にわたりバーカウンターから神戸を眺めてきたカイリさんに神戸の印象を伺うと、「夜、あんまり遊ばない人が多い、きれいな街をお昼間に楽しんでいる感じがしますね」という印象を持っているようですが、鉄瓶さんの「という事は逆に夜は穴場が出てくるのでは?」との問いに「それでも頑張っているお店があるので、確かにそうかもしれないですね。」と答えてくださいました。街の真ん中にも外れの方にも名店と呼ばれる素晴らしいお店があるので是非、番組をお聴きの皆さんも街に出てご自身なりの「名店」を探してみてください。

最後に鉄瓶さんにGOSPELの感想を伺うと…
「マスターの何とも言えない「ひょぉう」と立って、「ひょぉう」と僕の言葉をかわす感じが初めてくる人、一人で来る人でもお酒と音楽を楽しめるお店です」と話してくださいました。

GOSPELの営業時間は夜遅めの時間。GOSPELの奥にはカイリさんの奥さんが切り盛りされている韓国料理店「KIM」があります。こちらは夕方5時半から営業しているので「KIM」で食事をしながら「GOSPEL」のオープンを待つという楽しみ方もオススメです。

気になった方は、とにかく遅めの時間に「トア公園」を目指してみてください。

GOSPEL

神戸市中央区中山手通3-2-1 トア山手ザ神戸タワー

定休日:火曜日