KOBE MUSIC ATLAS

第18回目にご案内するお店は新神戸にある「Bar Inc」。案内人は神戸在住のロック漫筆家・安田謙一さん。

お話を伺たBAR Incの森岡さんは関東のご出身。
8年前に神戸に来て、御影でバーを経営。現在の場所でお店を始めたのは2年前になるそうです。
お店に入るとまず目に付くのが質実剛健とはこの事とばかりに、ドーンと構えたアルテック社製のサウンドシステム。
そこにはオーディオマニアのみならず、お客様をどこか別の世界に連れて行ってくれるような空間が広がっているのですが、そのお店の雰囲気づくりからお話を伺いました。

■日本には無いような雰囲気を出したくて…。
スタイリッシュな外観のBAR Inc。お店の扉を開けると目に入るのが1960年代に作られたアメリカのアルテック・ランシング社が初めてスタジオモニターとして作ったスピーカー。
シルバーにペイントされていて木製なのに鉄っぽく見えるデザインにも惚れこんで導入されたそうですが、海外に行ってお店を見てきたときに日本には無いような木やコンクリート、鉄を融合させたインダストリアルなデザインを内装に落とし込んだそうです。

■入口はHIP HOP？？
BAR Incで流れる音楽はジャズをベースにソウルやファンクなどブラックミュージック寄りなものが多いそうですが、そのあたりの音楽について聞きはじめたきっかけを伺ってみたところ、実は森岡さんが高校生の時に一番最初にハマり込んだ音楽がHIP HOPだったそうです。
そのなかでサンプリングされているドラムやベースをどんどん掘り下げていくと最初にジャズに行きついて、そこからソウルやファンクを聞くようになったそうです。
そんな森岡さんですが、お店をやっていくにあたってはお酒を飲む場所では雰囲気があっていて、ゆっくりできていいのかなと思ってジャズを中心にレコードを探すようにしているそうです。
興味を持ったものを自身の価値観・好みに合わせて掘り下げていくスタイルは音楽の聴き方のお手本のようなスタイルではないでしょうか。

■お出迎えやお見送りの際にも…
新神戸駅からも近いBar Inc。場所柄、他府県のお客様も多くお見えになるそうですが、その中で印象に残っているお客様のお話を伺ったところ、全国のジャズ喫茶をほとんど回っている方がいらして、「ジャズ 神戸」と検索をかけたところたまたまBar Incがヒットして来店されたそうです。
その方は趣味で来店したお店を紙にまとめて星をつけていたそうなのですが、BAR Incが記念すべき555店舗目だったそうで、「もちろん五つ星を付けます！」とおっしゃって下さったのが印象に残っているそうです。
新神戸駅にも近い好立地ですので、他府県からの大切なお客様をお迎えやお見送りする時にお連れするときっと喜んでいただけるのではないでしょうか。