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1037話(2016年2月13日 ON AIR)
「トビランキバリマー・トビランゴジュイマー」
- 謎の男の声
- (記憶の向こうで聴こえる呪文のように、エコーがかって)
「トビランキバリマー…トビランゴジュイマー…、 トビランキバリマー…トビランゴジュイマー…」
- イエロー
- マイマイ!目を覚ますんだ!マイマイ!
- マイマイ
- …はっ、ここはどこ?
- イエロー
- ここは時空の狭間〝ラッシュゾーン〟だよ
- マイマイ
- 〝ラッシュゾーン〟?ってか ねこがしゃべってる?!
- イエロー
- 僕のことがわからニャいんだね、あいや、わからないんだね、
こんな姿じゃ無理もないよ。魔王ミドウ・ス・ジーンとの最終対決で すべての魔法エナジーを使い果たした僕たちは、このラッシュゾーンに取り込まれて 身動きできなくなってしまったんだ。君は気を失い、僕は力を奪われてねこの姿に…!
- マイマイ
- もしかしてあなた…戦士イエローアロー?よかった無事だったのね。
- イエロー
- よくぞ思いニャしてくれた!いやそんなことで喜んでいる場合じゃない!
ここから一刻も早く脱出しないと大変なことにニャるんだ!
- マイマイ
- 大変なことって?
- イエロー
- こうしている間にも元の世界ではどんどん時が過ぎている!
長くここにいればやがては時間の流れに取り残されて、 もといた世界線(ワールドライン)に戻れニャくニャるんだよ!
- マイマイ
- なんやて?!
- イエロー
- 君の大切な人たちとも二度と会えなくなってしまう
- マイマイ
- そりゃ激ヤバですな!
- イエロー
- どうやら君もこの異空間の影響を受け始めているみたいだね!
- マイマイ
- ホンマでっかイエローはん!
- イエロー
- いよいよマズいことになってきたぞ、こうしちゃいられニャい!
最後の手段だ!マイマイ、あの呪文を僕と一緒に詠唱するんニャ!
- マイマイ
- あの呪文…てどの呪文?!
- イエロー
- まさかそれも忘れてしまったのか?
- マイマイ
- ちょっと待って…アレね?うちの古い暖炉の飾りに刻まれてた、
いわゆる悲しいことや辛いことがあった時これを唱えるといいよって おばあちゃんがよく言ってたあの…
- イエロー
- いやそれじゃニャい!
- マイマイ
- じゃあ…もしかして…あの…絶対に使っちゃいけない、あの言葉?
- イエロー
- そう、それニャよ!さあ僕の手の上に君の手をかさねて、一緒に唱えるんだ!
- マイマイ
- わかった!いくわよ、せーの、
- マイマイ
- (同時に)バルス!
- イエロー
- (同時に)トビ…
- イエロー
- ちがーーーう!!それはキミ天空の城のやつやないかい!
- マイマイ
- ええっ?違った?!どうしよう、全然思い出されへんでおまんがな!
- イエロー
- 思い出すんニャ!あきらめるんニャニャいニャ!
ニャーニャーニャーニャー(完全にねこ語に)!
- マイマイ
- しっかりしてイエローアロー?!
- イエロー
- ニャニャニャ…イカン!僕ももう限界だ!
- マイマイ
- (以下のイエローのセリフの後ろで)
えーと何だっけ、うーんうーん、 エコエコアザラクでもないし…エクスペクト・パトローナムでもないし…
- イエロー
- (心の声)いや、むしろ思い出さないまま…。なぜならその呪文を口にしたら、
たとえ元の世界に帰れたとしても僕らの記憶はリセットされてしまう。 だったらこのまま…たとえねこになってしまっても、君とずっと共にいられるなら僕は…いやいやいやいや!そんなのはダメだ!
- イエロー
- さあ!思い出せ!あの懐かしいあたたかな僕らの世界へ帰るんだ!!
- 謎の男の声
- (冒頭と同じく)
「トビランキバリマー…トビランゴジュイマー… トビランキバリマー…トビランゴジュイマー…」
- マイマイ
- 思い出した…私思い出したわ!
- イエロー
- 早く僕の手の上に君の手をかさねて!」
- 二人
- トビランキバリマー!トビランゴジュイマー!!
- 竜巻のようなすべてが巻き上がる音~
- 地下鉄の雑踏音、御堂筋線のドアが開く音
- 女
- …はっ、あ、駅だ、すいませーん!降りまーす!
- 車掌
- トビランキバリマー、トビランゴジュイマー
- 女
- え?
- 車掌
- 扉が閉まりまーす、扉にご注意くださーい
- 発車のベルの音
- 男
- あの、これ、落としましたよ。ねこのキーホルダー
- 女
- あ、すみません。ありがとうございます
- 男
- じゃ
- 車掌
- 扉が閉まりまーす
- おわり
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