1222話(2019年8月31日 ON AIR)

「飽きるほど運命の人」

作・福谷圭祐
出演・東 千紗都
若旦那家康(コトリ会議)
ここは学校。
もしかして、キミ、内ももの左側に星形のホクロがある?
ありますけど。
じゃあ、やっぱり。
もしかして、先生、お尻の左側に星形のホクロがある?
ある。
ああ、そう……。二人 (溜息)はぁーあー。
また、お前なのか。
また、あんたなのね。
こんなのもう、運命じゃなくて、呪いだわ。
だったら、俺と結ばれなければいいだろ。
しょうがないじゃない。どうしても好きになっちゃうんだから。
俺だって、好きになりたくて好きになってねーよ。
何度生まれ変わっても、また恋に落ちてしまうのよねぇ。
なんでお前は、いつもいつも、こうも俺のタイプなんだ。
あんたのほうこそ。
もう、これで何回生まれ変わった?
百回目からは数えてないわ。
また添い遂げてしまうのか。
あんたがウホウホ言ってた頃が懐かしい。
お前だってウホウホ言ってただろ。
大体あんたも生まれ変わりすぎなのよ。どれだけ未練があるの、この世に。
俺はもっといろんな人と恋愛がしたいんだよ。
じゃあ、さっさとどこかに行きなさいよ。
もう今回の人生は無理だ。お前に夢中になったんだし。最悪だよ。
この間の1843年がチャンスだったのに。あたしサンフランシスコに生まれたのよ?
俺だって、数世紀ぶりの日本を楽しんでたさ。
やっと違う人と添い遂げられると思ったのに。
しょうがないだろ。使節団になっちゃったんだから。岩倉さんが無理やり、
うるさい。この調子じゃ、火星に生まれてもあんたと一緒になりそうだわ。
それどころか、魚に生まれても花に生まれてもだ。あまり覚えていないが、花粉になってお前のところまで風に舞った記憶もある。
ああ、恐ろしい。
思い切って、離れてみるか?
え?
今回は、気持ちを押さえつけて。
嫌よ。
そうか。
世界中のどこを探しても、あんた以上に魅力的な人は一人も見つからないわ。少なくとも、今回の人生においてはね。あんただって同じでしょ。
まあ、そうだな。お互い来世に期待しよう。
いっそ心中でもしちゃう?
嫌だよ。平安の頃に一度しただろう。俺の輪廻人生で一番寒い思いをした。
だから今度は海じゃなくて、
熱いのも痛いのも苦しいのも嫌だ。
いくじなしねぇ。
もう二度と、お前にあんな思いをさせたくないだけだ。
そう?あたしは結構幸せだったけど。輪廻ランキングでも上位に入るわ。
変な女だよ。
あんたの好みでしょ。
さて、どうしようか。
そうねぇ。心中、駆け落ち、一目ぼれ、プラトニック、同性愛、近親愛、いろんなパターンを経験してきたけど、意外にも初めてだったわね。先生と生徒。
ま、お前が卒業するまでしばらく待つしかないか。
幾星霜の輪廻に比べればほんの一瞬でしょ。それとも、今手を出す?
我慢するさ。それがこの時代のルールだ。
やっぱりあんた、どこで出会ってもいい男ねぇ。
先生と呼びなさい。
ねえ、先生。いつかあたしがAIになっても、あたしに恋に落ちてくれる?
出会ってしまわないことを祈るよ。
END