1239話(2019年12月28日 ON AIR)

「あの愛の宣言への再考察」

作・合田団地
出演・大熊隆太郎
のたにかな子
昔、命に代えても君を守るって言ってくれたことあったやん
そんなこと言うたこともあるなあ
最近なんか、言うてくれたなあってよく思い出すんやけど
そうなん?
ちょっと、それについて訊きたいことあるんやけど、いい?
え、なになに?
あのさ、どういう状況を想定してたん?
ん? ちょっとなにを聞きたいんかがよくわからへんねんけど
だから、私のこと命に代えても守ってくれるって言ったよね。
命に代えても守るって、それって具体的にどんな状況?
え、なに? 大喜利?
大喜利ちゃうわ。なんでもお題にせんといてや。まじめに訊いてるんやから
ごめん。えっとな。えっと、宇宙人が
大喜利やってるやん。大喜利やめてって。
大喜利の答えとしても面白くなさそうやし
宇宙人がな、宇宙人ならではのな、やり方で、君のことをあれするときやな
大喜利としてもなんやねん。大喜利としても0点やんけ
悔しいなあ
あれするっていう答えでは悔しがる資格もないよ。いや、ちゃうねん。
私のこと命に代えても守るって言ってくれたやん。
命に代えなあかん状況ってなんやねんって訊いてんねん
えっとな、ちょっと待ってな
もしかして、言うてくれたとき、具体的に考えてなかった?
なにも考えてなかった
なんやそれ
あ、でも、もし、君がな、命の危険にさらされたとき、
いつでも身代わりになる心づもりはあるよ
あ、ほんまに。嬉しい。ありがとう
どういたしまして
あとさ、世界中を敵にまわしても
僕は君の味方でいるよって言ってくれたこともあったやん
うん
どんな状況?
カリスマ宇宙人がいて
宇宙人好きやな。なんでもかんでも大喜利にすんなや
え? 世界中を敵にまわしても僕は君の味方でいるよ?
そう
浮かれてたんやろね
そりゃ、浮かれてたに決まってるやろうけど
あんまりなんにも考えてなかったと思う
あ、そう
憧れだけで言うたんやと思う。彼女できたらそういうこと言いたいって
ふーん
ほんまに世界中を敵にまわすようなことってあんのかな?
いや、知らんわ。自分が言うたんやで
でも、世界中を敵にまわさなあかんようなときが来るかもしれん
私の人生にそんな劇的なことあるかな
そんときは、俺、うまく立ち回るわ
うまく立ち回る?
君が果たさなあかん使命を果たせるようにしつつ、
被害を最小限に抑えられるようにうまく立ち回る。
なんやったら、俺が矢面に立ってあげてもいいよ
めっちゃ味方でいてくれてるやん
せやろ
でも、そんなことできんの? あんた
わからん
わからんのかい
――終わりです。