| | | | | | | | | | | |
1260話(2020年5月23日 ON AIR)
「宇宙人遭遇!その時あたしは」
- カラスの声。夕方の淀川河川敷。サチコ、芝生に腰を下ろしている。
- サチコ
- ふう、淀川の風が心地よいわ。
ん? 何あれ。UFOに似てる・・・ものが・・・こっちに・・・くるー!!
- UFO、サチコのそばに墜落!!ものすごい音!!
- サチコ
- えー!!うそお!
- UFOのハッチが開き、中から宇宙人・ダライラマが現れる。
- ダライラマ
- こんにちは。
- サチコ
- いやー!あー!あー!
- ダライラマ
- おびえないで。怖くないから。
- サチコ
- 来ないでー!!
- ダライラマ
- ♪うさぎ追いしかの山~。
- サチコ
- はっ。
- ダライラマ
- ほら。怖くない。
- サチコ
- ああ・・・。あなたは、宇宙からきたの?
- ダライラマ
- (うなずく)
- サチコ
- うなずきはった!!
- ダライラマ
- でも大丈夫。私はいい宇宙人です。地球のことが知りたくて来ました。
地球人と友達になりたい。でも、もし悪いやつらだったら、地球を滅ぼしたい。 だから、もし一番初めに会った地球人が嫌な奴だったら、すぐ、滅ぼそう、 そう決めてやってきました。
- サチコ
- うおおおお。
- ダライラマ
- あなたはいい人間ですか?
- サチコ
- ・・・もちろん!私、超いい人間です!!
- ダライラマ
- あっ、むこうで子供がこけた!
- サチコ
- (駆けてゆく)大丈夫!!!?擦りむいた?おー、強い強い!!アメあげるね!
(帰ってきて)強い子でした!地球の誇りですね!
- ダライラマ
- あなたいい人だ・・・。
- サチコ
- もちろん!
- ダライラマ
- 趣味は何ですか?
- サチコ
- ボランティアです。
- ダライラマ
- へえ。どのようなボランティアを?
- サチコ
- えっと・・・主には募金ですね。
- ダライラマ
- 募金ってボランティアでしたっけ?
- サチコ
- 最近ではそのようになってますね。
- ダライラマ
- 知らなかった。
- サチコ
- でしょー?
- ダライラマ
- 100円くらいですか。
- サチコ
- え?
- ダライラマ
- 募金。
- サチコ
- 全財産ですよ!
- ダライラマ
- 全財産?? そんなことをすればあなたの生活が立ち行かなくなってしまう。
- サチコ
- あたしの生活なんて!
- ダライラマ
- それでは次に支援されるのはあなたになってしまう。
それでは本末転倒だと思いませんか?
- サチコ
- まったく同意見です。
- ダライラマ
- しかしさっきは全財産と。
- サチコ
- 口がすべったんです。
- ダライラマ
- ウソをついたのですか?
- サチコ
- つくはずないでしょう!
- ダライラマ
- それはよかった。
- サチコ
- ね。
- ダライラマ
- あなた、友達がウソをついたらどうします?
- サチコ
- もちろん絶交します。
- ダライラマ
- ウソを許さないなんてそれでも友達ですか。
- サチコ
- めっちゃ許します。
- ダライラマ
- さっきは絶交と。
- サチコ
- よく考えたら、友達にウソをつかせた自分が一番よくないですよね。
- ダライラマ
- そんなことないんじゃないですか。
- サチコ
- うん、そんなことない。あたしは悪くない。
- ダライラマ
- やっぱり悪いんじゃないですか。
- サチコ
- うん、悪い。最悪ですね。
- ダライラマ
- どっちですか?もしかして、あなたには自分の意見がないんですか?
- サチコ
- サチコ、わかんない。
- ダライラマ
- 私の惑星(ホシ)では意見を持たないことが一番の悪と考えられています。
- サチコ
- わかるう。
- ダライラマ
- いや、あなたはわかっていない。 仕方ない、地球を滅ぼそう!
- 地鳴りのような音が聞こえてくる。
- サチコ
- いやー!お、お前なんか、自分の星に帰れー!!
- ダライラマ
- わかりました。
- サチコ
- えっ?
- ダライラマ
- 人の意見は尊重する。それが私の星のルールなのです。さようなら!
- ダライラマ、UFOに乗って去る。
- サチコ
- こうして、よくわからんままに宇宙人は去りました。
そして次の日、米国国防総省ペンタゴンは、未確認飛行物体の映像を正式に発表。 私たちが宇宙人と交信するのは、明日かもしれません・・・。
- 終わり。
|
|